■ キャリア・コンサルタント倫理規定
オフィス・メンター
制定 2011年 1月 1日
前文
キャリア・コンサルタントは、激しく変化していく時代において、
主体的に自分の生き方、働き方を自己選択・自己決定していく
プロセスの専門的援助をする存在である。
社会において自分らしさを発揮し挑戦的に生きようとする人々の
サポーターでもある。この役割を遂行する為に以下の義務を負う。
第一条 使命と責任
1. キャリア・コンサルタントは自らの専門的義務の及ぼす結果に責任を持つこと。
その業務の遂行に際しては相談者の人間尊重と人権尊重を第一義と心得ること。
2. 人間の心とその周辺に関わる活動を行う者であることを深く自覚し、
専門家としての能力の向上へ向けて、たゆまぬ努力と、自己の人格の涵養、
健康な心身を保持するよう努めること。
3. キャリア・コンサルタントは社会への啓発活動、組織への働きかけや、
教育・普及活動を積極的に推進すること。
第二条 資質と能力の向上
キャリア・コンサルタントは科学・経験と訓練によって的確と認められた技能によって
相談者の援助を行うものとする。そのために知識と技術を研鑽し、高度な専門能力と資質を
身につけるよう常時努めること。又、自らの能力・技術・知識の限界をわきまえること。
第三条 秘密保持と公表に伴う責任
1. 相談業務を通じて知り得た事項に関しては、相談者ないしその保護者の同意なく
他に漏らすことを禁ずる。但し、身体生命の危険やその他の緊急事態と判断される場合は、
その限りではない。
2. 事例研究の公表に際しては相談者の同意を得る必要がある。同意を得て発表する場合に
おいても個人が特定されぬよう相談者の秘密を保護する責任がある。
3. 研究の公開などに関しては公開者の身分や公開の内容に事実に反する内容や誇張がないようにし、
公正を期すこと。特に営利的な内容に関する社会的影響について責任を持つこと。
第四条 アセスメント(査定)
相談者の特性を査定する場合は、相談者の人権に保留し、査定の強制をしてはならない。
又、その技法に関しては技法の妥当性や信頼性を重視し、みだりに使用しないこと。
第五条 活動の範囲
1. 相談業務は自ら専門的能力の範囲内で行い、相談者がより良質の援助を受けられるよう
努めなければならない。
2. キャリア・コンサルタントは、コンサルテーション過程と、心理カウンセリング過程を
明確に区別しなければならない。コンサルテーション過程を進める上で、個人の心理的問題解決が
優先すると判断した場合は心理カウンセリングの必要性を考慮し、コンサルテーションとカウンセリングの
二重構造を持たないよう配慮すること。
第六条 専門機関の連携
相談業務に際し、相互の連携により、より効果的な支援ができるような努力が必要である。
その為にも、主体的に広く関係機関やコミニュティなど他分野に携わる人々に積極的に働きかけ、
連携できる能力や資質を向上させねばならない。
第七条 組織との信頼関係の構築
1. キャリアコンサルティングに携わる人々は、相談者の企業・組織との間に利益が相反する恐れのある、
相談者に関する情報提供の要請があった場合には、相談者の利益と保護を優先させなければならない。
但し、企業・組織の要求が社会通念上不当でない場合には、法令で定められる事業主への義務を充足する
範囲の情報提供をしなければならない。
2. キャリアコンサルティング活動に携わる人々は、その活動を通じて企業・組織の名誉を損なうような
行為をしてはならない。また、相談者とその他の当事者との信頼関係を保持するよう絶えず努めなければ
ならない。
第八条 倫理の厳守
1. 本倫理規定を十分理解し、違反することがないよう努め、また相互間で常に注意しなければならない。
2. 本規定に違反する事実が確認された場合、倫理委員会は、本倫理規定及び法令等に照らして検討し、
適切な指導や処分を行う。